11月の活動記録

  今更ですが11月の活動報告をします。最後の活動についての部分は12月9日には書き終えていたのですが、私の職種である保健師の部分、病院についてが書き終わらず、遅くなりました。
 3部構成で書いてあります。長文となりますのでお時間がある時にお読みください。

1.保健師について
2.配属先について(JICA作成の要望調査票からの引用が中心)
3.11月の活動について

1.保健師について
 保健師保健師助産師看護師法に定められている国家資格の1つ。法律には「厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者」とされている。
 「保健指導」を噛み砕いていうならば、健康を維持、健康の増進、疾病の予防についての知識を伝えることである。「保健指導」は保健師の業務独占ではなく、医師、歯科医師、管理栄養士、養護教諭などの職種がすることが許されている。保健師の特徴は「保健指導」を主な業務としていることである。「保健指導」が主な業務であることにより個別に保健指導を行う手法だけでなく、集団に対して行うとともに、そのシステム構築(連携、定期的な会議の開催、人つなぎ)を行っている。
 日本においては大きく3つのフィールドの分かれ従事している。行政保健師、産業保健師、学校保健師養護教諭)に分かれている。私自身は、日本では行政保健師として従事してきた。

2.配属先について

配属先:トゥブ県総合病院

 まず、トゥブ県について説明します。トゥブ県はモンゴル国の首都ウランバートルを囲むようにある県で、トゥブとはモンゴル語で中央という意味です。トゥブ県には21万人住んでおり、定住民が9万人で、遊牧民が12万人です。
 次に、トゥブ県総合病院があり、私が定住しているゾーンモドについて説明します。ゾーンモドは首都ウランバートルから43kmのところにあるトゥブ県の県都です。私の故郷の千葉市と同じような位置です。住民は1万5000人ほどだそうです。首都への主な交通手段はミクロと呼ばれる10人ぐらい乗りのバンか、マイクロバスで行くの主流です。最近は、車に乗る人も増えてきて自家用車で行く人もいます。
 本題の病院についてです。モンゴルは日本のフリーアクセスな病院制度(どの病院も自由に受診できる)でなく、緩やかな制限をかけています。基本的には1次病院といわれる家庭病院にいき診察をうけます。そのあとに、治らなければ各県に1つある総合病院の2次病院に行くようになります。それでも難しい場合は首都にある3次病院に行きます。首都には私立病院もあるので若干違います。
 私の所属先は2次病院です。ですので、トゥブ県に在住する人の2次病院としてあります。従業員は約300人(内医師70名前後)、病床数は約150床です。病院の年間予算は1億5,000万円です。鳥取県立中央病院より草の根技術協力を受けているだけでなく、看護師の青年海外協力隊員1名、ピースコー(米)の公衆衛生が活動をしています。さらに、韓国からも00年代中ごろに無償援助をうけており、病院の多くの機材(時計、ごみ箱、医療機器、コンピューターなど)がその時に入ってきたものです。

 病院が疾病予防への視野を持ち、住民や医療関係者に対して適切な保健衛生知識の普及、指導が必要だと考え、私の要請が上がったようだ。

3. 活動について

 活動についてです。一文で伝えるならば「見学をしながら、関係作り、今後について考えている状態です。」というところです。では、見学、関係作り、今後の活動という3つに分けて説明します。

まずは、見学についてです。

 11月は外来を見学していました。外来はその日によっている先生も違うのでいろいろな医師の診察を見学しました。見学していて感じるいい点はシステムができていること、悪いと感じるのは診察技術が低いということです。
 具体的に書くとシステムが良いというのは、受付にてコンピューター上に患者についてを入力し、それを各診察する医師が診られるようになっています。そのシステム上で診察し終えた患者を登録できるようになっており、来ていない患者を確認できます。また、その中には他の医師の診察を受けてくるかなども書かれる欄があります。また、妊婦の診察において、産婦人科医だけでなく歯科、内科、神経科など様々な医師の診察を受けるシステムができています(日本は、最近になり全国的に歯科を受診するようなシステムが徐々にできている状況です)。
次に診察技術の低さは、3か月の妊婦が外来にきてエコーにて胎児を医師が確認したのですが、エコーで診ることができませんでした。そのため、1週間後にきてくださいと言っていたのです。日本では7週前後にはエコーにて診ることができるのです。その日は吹雪いていて来る人が少なかったので医師と雑談をしていると英語が分かるのかと聞かれ、そのエコーの機会に書いている英語について教えてくれといわれ伝えることとなったのです。そのように、診察技術については疑問を感じることが多々あります。エコーで胎児を確認できないというのは軽いことと思うかもしれませんが重大な問題の1つです。子宮外妊娠を早期に発見できません。子宮外妊娠だった場合は治療を受けないと命の危険があります。


次に、関係作りについてです。

 私の活動は疾病の予防がメインです。疾病の予防といっても疾病は数万以上ありますし、そのすべてを私自身把握しているわけではありません。そこについては、専門医のサポートが必要です。外来で見学すると数人の医師は予防活動について興味を示してくれ、予防のための健康教育の協力をしてくれそうです。協力というのがどの程度かはまだ分かりませんが、健康教育をする際に監修に医師の名前を書けるだけでも意味があるので、いい関係を築いていきます。


最後の今後の活動の展望についてです。

 保健師の「保健指導」といってもイメージがあまりないかと思うので、はじめに概念的なことを説明させていただきます。「保健指導」の目的とするところは病気の予防でして、疾病の予防には3つの区分があると言われています。

1次予防:食生活・居住環境・労働環境・生活習慣などの改善ならびに健康教育、予防接種
2次予防:疾病の早期発見、早期治療
3次予防:疾病の悪化や身体機能の低下防止、社会復帰を図るためのリハビリテーション

 普通にイメージされる疾病の予防は1次予防だけかと思いますが、このように3つに分かれているのです。

 まず、2次予防は日本においては有効なのです。しかし、前述のとおり医師の診断技術が高くはなく一般の人の早めの受診をしたからといって医師がそれを疾病として診断してくれるかの問題があるので今は行う予定はないです。ここは、注意深い考察を経てから行うかどうか再度検討します。

 次に、1次予防ですが最終的にはここをメインにしたいとは考えていますが、今行っていないことなのではじめに取り組む活動としては課題が大きいです。病院内にそのような講義をするような場所が現在ないというのもあります。一応、いま改修工事が病院内で行われている箇所がありそれが終わると病院の会議室のような部屋でできる見込みがあります。しかしながら、病院にとって行われていない取り組みなので、それ相応の準備が必要なので春くらいにできればと考えています。夏になってもかまわないです。

 最後に、3次予防です。まずは、ここをメインに活動しようと考えています。外来にいると何本も人工歯になっている人を見たり、高血圧、糖尿病というひとで薬などを飲んでいるが生活改善をしていない人を見たりします。医師、看護師もそれは問題だと感じているようなので、そこをメインにまずはします。そこから、前述の1次予防に取り組みたいと思います。

以上。

 ぜひ、ご意見、ご感想をお願いします。今後の活動の参考にします。