病院食

 活動日は、お昼に病院食を食べている。

 モンゴルのご飯は基本的に肉と乳製品が中心で日本人のように野菜を食べない。遊牧生活をしていたのだから野菜を食べていなくて当たり前だったのだ。モンゴル人は具合が悪いときも肉入りのスープを食べるくらい肉が大好きなのだ。その上、脂身つきなのである。

 私が昼に食べている病院食は、モンゴル人が作った料理にしては珍しく多くの野菜が入っている。



 何よりもありがたいのが、1000トゥグルグ(60円)と安いことだ。前ホストマザーのコネと権力により安いコストにすんでいることもあるだろうけれども。普通に食べたら4,000〜5,000トゥグルグになることを考えると破格の値段である。

 今日、調理場に行くと栄養士に「肉無しの料理(Махгүй хоол)だけど食べる??」と聞かれ、私は「食べる」と答えた。

 私の胸は高鳴った。モンゴルの病院食に肉無しの日があるなんて素晴らしい。値段は高くても良いから職員食べられる食堂を作って、タニタの社員食堂のモンゴル版でできたらなと妄想していると食事が配膳された。



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 ・・・・・・・・。野菜入りスープ(Ногоотой шөл)に普通に肉が入っている。うん。期待した私が馬鹿だった。モンゴル人の栄養士にとってもこれは肉無しの料理(Махгүй хоол)なんだな。
 一般の人がそういうならいいのだが・・・。いや、これがモンゴルの文化だな。

 考えてみると、食事の話になると「モンゴルの肉は美味しい?」「日本の肉はいくらくらい?」「日本人は何の肉を食べるの」とか聞かれるもんな。モンゴル人にとっては肉じゃがも肉無しの料理(Махгүй хоол)になるのかな。今度、作っていく機会があったら聞いてみよう。

 でも、2年間で日本人にとっての肉無しの病院食(Махгүй хоол)が食べられる日が来ることをほんのちょっぴり願ってます。